知って得する!介護保険で手すり設置、費用0円の可能性も〜専門家が教える7つの活用術〜

ライフステージサポート

February 12, 2025

知って得する!介護保険で手すり設置、費用0円の可能性も〜専門家が教える7つの活用術〜

高齢者の方が安全に、そして自立して暮らし続けるために、手すりの設置は非常に効果的な対策の一つです。しかし、「費用が高そう」「どこに相談したらいいのか分からない」といった理由で、なかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか。実は、介護保険を上手に活用することで、手すりの設置費用を大幅に抑えることができます。場合によっては、自己負担0円で設置できる可能性もあるのです。

本記事では、介護保険を利用した手すり設置について、知って得する7つの活用術を専門家の視点からご紹介します。これらの情報を参考に、ご自身やご家族の安全な生活環境づくりにお役立てください。

1. 介護保険の住宅改修費を最大限に活用する

介護保険では、要介護認定を受けた方を対象に、住宅改修費として最大20万円までの給付を受けられます。この給付は、実際にかかった費用の9割(所得によっては8割または7割)が支給される仕組みになっています。

活用術:

給付額の上限いっぱいまで利用することで、自己負担を最小限に抑えられます。例えば、22万2,222円の改修工事を行えば、2万2,222円の自己負担で済みます。

専門家のアドバイス:

「手すりの設置だけでなく、段差の解消や滑り止めの設置など、複数の改修を組み合わせることで、給付額を最大限に活用できます。ケアマネジャーと相談しながら、総合的な改修計画を立てましょう。」

2. 事前申請を忘れずに

介護保険の住宅改修費を利用するためには、工事前に市区町村への申請が必要です。事前申請を忘れると、給付を受けられない可能性があります。

活用術:

工事の計画が固まったら、すぐに申請の準備を始めましょう。申請から承認までに時間がかかる場合もあるので、余裕を持って手続きを進めることが大切です。

専門家のアドバイス:

「申請書類の作成は、ケアマネジャーや施工業者のサポートを受けられる場合が多いです。専門的な知識が必要な『改修理由書』などは、ぜひ助言を求めましょう。」

3. 複数の要介護者がいる場合は別々に申請

同じ住宅に複数の要介護者がいる場合、それぞれが別々に住宅改修費の給付を受けられます。

活用術:

例えば、夫婦ともに要介護認定を受けている場合、2人分の給付を利用することで、最大40万円分の改修が可能になります。

専門家のアドバイス:

「複数の要介護者がいる場合は、それぞれの身体状況や生活習慣に合わせた改修計画を立てることが重要です。個々のニーズに応じた手すりの設置位置や高さを検討しましょう。」

4. 再申請の条件を把握する

原則として、住宅改修費の給付は一度限りですが、以下の場合には再度申請が可能です。

・要介護度が3段階以上上がった場合

・転居した場合

・老朽化などにより改修の効果が期待できなくなった場合

活用術:

これらの条件に該当する場合は、再度20万円を上限とする給付を受けられる可能性があります。定期的に身体状況や住環境を見直し、必要に応じて再申請を検討しましょう。

専門家のアドバイス:

「特に要介護度が上がった場合は、新たな身体状況に合わせた追加の改修が必要になることがあります。定期的にケアマネジャーと相談し、適切なタイミングで再申請を行うことをおすすめします。」

5. 手すりのレンタルも検討する

介護保険では、福祉用具のレンタルも給付の対象となっています。手すりの中には、工事不要で設置できる据え置き型のものもあり、これらは福祉用具としてレンタルできる場合があります。

活用術:

レンタルであれば、身体状況の変化に応じて柔軟に交換や撤去ができます。また、住宅改修費とは別枠の給付を利用できるため、予算を効率的に使えます。

専門家のアドバイス:

「レンタルは特に、一時的な利用や試行的な設置に適しています。ただし、長期的に利用する場合は、購入のほうが経済的な場合もあるので、ケアマネジャーと相談しながら判断しましょう。」

6. 自治体独自の上乗せ制度を確認する

一部の自治体では、介護保険の給付に加えて、独自の住宅改修費補助制度を設けています。

活用術:

自治体独自の制度を利用することで、さらに自己負担を抑えられる可能性があります。中には、介護保険と併用することで実質的に自己負担0円で改修できる場合もあります。

専門家のアドバイス:

「自治体によって制度の内容や条件が異なるため、必ず事前に確認が必要です。地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口に問い合わせてみましょう。」

7. 施工業者の選び方にも注意を

介護保険を利用する場合、施工業者の選択も重要なポイントです。

活用術:

介護保険住宅改修の実績がある業者を選ぶことで、スムーズな手続きと質の高い施工が期待できます。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

専門家のアドバイス:

「単に価格だけでなく、アフターフォローの内容や、介護保険制度への理解度なども考慮して業者を選びましょう。また、施工後の点検やメンテナンスについても事前に確認しておくことが大切です。」

これらの7つの活用術を押さえることで、介護保険を最大限に活用した手すりの設置が可能になります。ただし、ここで注意したいのは、単に費用を抑えることだけを目的とするのではなく、本当に必要な場所に適切な手すりを設置することが重要だということです。

手すりの設置場所や種類を検討する際は、以下のポイントに注意しましょう:

・現在の身体状況だけでなく、将来的な変化も考慮に入れる

・日常生活の動線を確認し、必要性の高い場所から優先的に設置する

・手すりの高さや形状は、使用する人の身長や体格に合わせて調整する

・壁の強度を確認し、必要に応じて補強を行う

・デザイン性も考慮し、生活空間に調和したものを選ぶ

また、手すりの設置だけでなく、以下のような総合的な住環境の改善も同時に検討することをおすすめします:

・段差の解消

・滑りにくい床材への変更

・適切な照明の設置

・家具の配置の見直し

これらの改修を組み合わせることで、より安全で快適な生活環境を整えることができます。

介護保険を活用した手すりの設置は、高齢者の方々の安全を守り、自立した生活を支援するための重要な一歩です。費用面での不安を解消し、必要な改修を躊躇なく行うことができれば、それは大きな安心につながります。

ただし、介護保険制度や住宅改修に関する知識は複雑で、常に最新の情報を把握しておく必要があります。そのため、検討を始める際は、ケアマネジャーや地域包括支援センター、専門の施工業者などに相談することをおすすめします。専門家のアドバイスを受けながら、ご自身やご家族の状況に最適な手すり設置プランを立てていきましょう。

安全で快適な住環境は、高齢者の方々の自立と尊厳を支える重要な基盤となります。介護保険制度を賢く活用し、誰もが安心して暮らせる住まいづくりに取り組んでいきましょう。そして、手すりの設置をきっかけに、より積極的に生活を楽しむことができるようになることを願っています。

<All Posts